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カバーをしない話の詳細をちょっと考察。はてなで10年以上前からずっと言ってるので、私のカバー嫌い主張は今に始まったことではないですけど。今回の「オタクはすぐ怒る」の件から派生して、ちょっと改めて考えてみたのね。
特に地方都市に多い「音楽何でも屋」というのが居りまして、それなりに形になるプレイをするので重宝がられるが、別にオリジナル作品があるわけでなし、その手の人ならいくらでも代用が効くので、存在意義を持ちづらいし、こっちもどの辺を見ればいいのかわからない、ということをNGSK時代にたくさん経験しまして、そういうのってコレクターと似ていて、たくさんグッズを持っているのだけど、いったいそれらは何かの役に立っているの?身になっているの?みたいなことと同じな気がしたのね。
歌も同じで、なんでもたくさん歌えるのはいいことだけど、カバーシンガーなんか掃いて捨てるほど居るし、上手いとか声がいいとかも主観じゃないですか。その人生が終わったときに何か残るんでしょうか。みたいに思うのよね。
僕がこういうパフォーマーの存在をあまり好意的に見れないのは、他ならぬ自分自身が20代くらいの頃に、そういうものになりたいと思ってて、しかし意味が無いなと気付いたということが大きいと思いますね。自分も歌だけ上手い人で、曲作りが上手く行かない期間が長かったという経験の持ち主です。こんなことやってても何にもならない、とずっと思ってて、しかし曲がうまく作れない、という辛く苦しい長い時期を過ごしてきて、このままでは人生が詰むし、ろくな晩年にならない、それこそブログで文句ばかり言って怒る人になってしまう。そういう自分の未来の想像がついたわけです。
…というようなことを当の本人に言うと、自分は才能がない、あなたはあるから、などとたいてい返されるのだけど、僕にだってそんなんものないですよ。ただ危機感持って必死だっただけ。
コミケだの文フリだの行って見ればいい。拙いながらオリジナル作品とやらを発表してる人が山ほどいます。それでも「作ったことに」意義があるわけです。
音楽には幸いなことに「カバーをする」という大義名分の逃げ道が用意されてて、それはものすごくずるいと思う。これを画家や文筆家で言えば「模写家」じゃないんですか。二次創作にすらならないと思う。僕は常々、この「音楽にだけ許された逃げ」がすごく嫌で、自分は絶対カバーには「逃げ」ないぞ!と決めたのだな。
まあこういうの個人の価値観と見解だけど、自分で作らない人は、往々にして他者の創作を貶す傾向にあるからね。そんな人生は嫌だと思うのは当然だと思うよ。自分はね。