RASEN-KAIDAN

俊成(毒饅頭)さんのエントリー

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今日読んだ本

佐高信×鈴木邦男 『左翼・右翼がわかる!』 金曜日 2010年

都知事選で細川護熙を支持してミソを付けた佐高信。優先順位が《脱原発>反貧困》だと映ってしまった。要は左翼と言うよりも井筒和幸のように「憲法9条を支持する保守的なおっちゃん」と言う方が正確。パターナルな左翼の佐高とリベラルな右翼である鈴木邦男の対談。対立よりも共通の「交差点」が多い内容。

佐高
《大本教が弾圧されたのは教組が女性だから男系男子に拘る近代天皇制と相いれないからでは? 戦前右翼の五族協和、混合民族の理念を長所を戦後は左右とも受け継いでいない。満州の建国大学も民族の比率を考えていた。美輪明宏は三島由紀夫の服を選ぼうと店に連れていくと喜ぶ姿を見て「彼は自分の意思で生きてこなかったのでは?」と察した》

鈴木
《新井将敬や前田日明から「日々どうすれば日本人になれるか考えている」と言われた。北朝鮮でよど号犯人グループにあった時、「帰化して朝鮮人になれ、国交回復したら外交官とし堂々と日本に来い」と言った。「三島事件」は自決を迫った25歳のの森田必勝に45歳の三島が引っ張られたんじゃないか? 「森田必勝事件」と呼ぶべき。》

よど号犯の件は一見リベラルに見えて「何がインターナショナルだ」という皮肉にもなっている。三島由紀夫をめぐるエピソードは対談の化学反応。左翼を相手に闘った三島だが、それ以上に強い(自分も含めた?)同性愛者への偏見と闘っていた美輪明宏に魅かれた、という見方はなかなかに面白い。