RASEN-KAIDAN

俊成(毒饅頭)さんのエントリー

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勝手に引用

僕は彼女が中学生の時、キリスト教精神に基づいて羽仁もと子が創設した自由学園を無理やり退学させられたのを思い出した。
「社会主義なのかどうかわからないけど、僕の思想体験の一番奥にあるのは性差別なんです。それは黙って見ていることはできない」
と僕は普段より素直になっていた。
(略)
「日本の革新思想は社会的差別には言及しても、不思議と性差別には関心が薄いところがある」
そう言って彼は首を傾げた。そう言われて僕は浅間山荘事件を思い出した。全貌が明らかになった浅間山荘事件、ひいては連合赤軍事件全体の中で、彼らの間に存在したと見られる性差別意識を明確に問題にした人は、いたとしても極めて少数派であった。

(辻井喬/堤清二『抒情と闘争』より。“僕”は堤清二、“彼女”は妹の堤邦子、“彼”は哲学者の森有正を指す。)