サディア・ラボンさんのエントリー

前の家に住んでた時は、
バスと地下鉄で会社に通ってました。

バスの中では、
時々図書館の本が落ちてました。
ぼくは、本を見つけた時は、
拾って図書館に持って行ってたけど、
その本を持ったまま入ろうとしたら、ブザーが鳴るので、
わざわざ図書館が休みの時を狙って本を返却ポストに入れてました。

図書館では、読みたい本が無い時に、
職員に聞いたら、パソコンに「不明」という字が出て、
「無くなってるんです」と言って謝る事が何度もありました。

ある時、バスの中で、本を拾った時に、
たまたま警察署の近くを通る前だったので、
バスを降りて、警察署に届けました。

その翌日、会社に行く途中、
どこの道にも、椅子に座った検察官がいて、
人が通ると、チェックしていました。

家に帰った時は、
母が、図書館から電話があったと言ってて、
「本を拾ったの? 図書館に、警察から貰った紙を持って行きなさい。本を貰われへんのやって」
と言われました。

その夜は、ぼくが犯人じゃない事を
どうやって証明したら良いのだろうかとか、
刑務所では何をされるのだろうかとか考えて、
布団には入っていたけど、朝まで寝られませんでした。

翌日、しばらくの間は図書館に行く時間が無かったので、
紙を郵便で、図書館に送りました。

その後は、警察署からも、図書館からも、
電話はありませんでした。

後日図書館に行ったら、その時拾った本が、
図書館にありました。

その後も、図書館で、新しく行方不明になる本がありましたし、バスの中でも、本を時々拾いました。

貸し出しの手続きをしないで本を持ち出したら、ブザーが鳴るので、
犯人がどうやって持ち出したのか、分からないです。

今は、違う町に住んでるので
その図書館には行かないですけど、

今住んでる町の図書館では、
今の所、無くなってる本の存在は確認していません。
(ぼくは図書館員じゃないので、知らないだけかも知れません)