刑務所は人権侵害を認めて課題と向き合ってきたからこそ存続できている

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刑務所は人権侵害を認めて課題と向き合ってきたからこそ存続できている

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結局最終的に「犯罪者に拉致監禁という犯罪をする警察と国家は犯罪者!! 犯罪を止める方法は他にもありそっちは禁止してない!!」という「そもそも君ら国家に住むのやめなよ。向いてない」としか言いようがない人らが
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id:zyzy 容疑者の拘束、有罪と確定した受刑者の拘禁等が人権侵害であることは、論をまたないと思います。もし「それは人権侵害ではない」と主張する方がいれば、「人権侵害ですよ」と、私は反論します。

人権侵害だから、すぐやめろ、といいたいのではない。しかし、人権侵害であるとさえ認めなくなってしまえば、「人権侵害の程度を必要最小限度とするための不断の努力」が途切れてしまいます。かつて刑務所では冬になると凍死者が出ました。受刑者に十分な暖房設備を提供する必要を認めなかったからです。現代ではもちろん、そのような状況は解消されています。

「してよい人権侵害」など、ありはしない。本来、犯罪者だからといって、人権を侵害してよいわけではない。しかし治安維持や更生促進のため、やむを得ず最小限度の人権抑圧を行う。あくまでも「必要悪」であって、有罪が確定した受刑者を刑務所に閉じ込め自由な生活をさせないのは「正しいこと」ではない。

だから、目的に照らして不必要な拘束はできる限り減らさねばならない。受刑者の人権は、基本的に一般人と同様に守らねばならない。

女性専用車両に対していいたいことも、これと同じです。本当に今すぐなくせと主張している方もいるのでしょうが、批判している側の多数は、そうではないでしょう。女性専用車両は男性差別に違いないが、必要悪として認める。私も含め、そういう方が多いと思います。

それでも少なからぬ批判者がこれだけカリカリきているのは、「差別には違いないですよね?」という意見に対して、「女性専用車両は全く正しい方策であって、些細な批判も許さない」という態度の方が目立つからだと思います。

受刑者の自由を奪うのは全く正しい。人権侵害だなどとケチをつけるのは許さない。文句をいうなら代案を出せ。zyzyさんが仰っているのは、そういうことではありませんか。

私は、受刑者の自由を奪うのは必要悪なので、その悪を最小化するために不断の努力が求められると考えますし、それが人言侵害であることを忘却したかのような主張があれば強く批判します。そして、わかりやすい代案が必要だとも認めません。刑務所をなくすのは非現実的ですし、これまでの関係者の努力も十分に認めますが、だからといって「刑務所の存在は善で正しい。刑罰を人権侵害だなんていうな」なんて言説を支持できるわけもない。

犯罪がなくなれば刑務所も必要なくなるのに、どうして犯罪者ではなく刑務所を人権侵害だなどといって批判するのか。

という人がいたら、どう思いますか。私は、「それぞれに批判すべき」だと思います。犯罪を減らすことは必要。しかしそれはそれとして、刑務所が不必要な人権侵害をしているなら、それは改めるべきですよね。

女性専用車両についていえば、今すぐ改善すべき重大な問題点があるとは、私は考えていません。私自身は、たまたま今はてブで話題になっているから、女性専用車両を切り口として持論を多々述べる機会とさせていただいただけのこと。各種世論調査でも女性専用車両支持派が断然多数派ですし、積極的擁護派がそんなに頑なな態度を取る必要のある場面ではないと思う。

女性専用車両存亡の危機などではないからこそ、「男性差別ではあるよね」くらいのことは、共通認識として普及を認めたっていいんじゃないですか。それは敗北への蟻の一穴などではなくて、女性専用車両をきちんと存続させていくための礎です。

刑務所がもし、明治時代の網走刑務所のようなあり方を是とし、「これは人権侵害ではない。人権云々の批判は全て不当」といって一切の改善を拒否していたら、どうなっていたでしょうか。おそらく、どこかの時点で刑務所の壁は市民によって破壊されていたはずです。革命に際して刑務所が打ち壊される事例は、過去にいくつもあります。特定の誰かを救出しようというのではなく、不当な人権侵害への怒りは、犯罪者の解放すら自己正当化するということなのです。日本の刑務所が、そのような暴力的破壊を経験せずに済んだのは、よいことでした。それは先人たちの努力によって、なしえたことです。

繰り返しになりますが、私は現状、痴漢対策としての女性専用車両に特段の改善すべき点はないと思います。しかし「これは男性差別ではない」とか「正しい方策にケチをつけるな」というような支持派に対しては、モノ申したい。

女性専用車両を擁護するのに、その差別性を否定する必要は全くないはずです。それは、刑務所の人権侵害を認めることが、刑務所の存在を否定することにつながらないのと同じです。

女性専用車両は、差別だが必要悪。その悪を最小化する不断の努力が必要。「差別ではない」といって、悪から目を背けてはいけない。むしろきちんとその差別性と向きあって、不必要な差別性の強さがないか、チェックし続けるべきです。それは、うるさい少数派の主張に耳を傾け続ける、うんざりするようなことかもしれないけれど、多数派の支持に胡坐をかいて安閑としているのが本当に「正しい態度」でしょうか。

「人権を守る」「差別と闘う」というのは、少なくとも一面において「受刑者の待遇を改善し、女性専用車両の運用を見直し続けるようなことだ」と私は思います。

http://h.hatena.ne.jp/deztecjp/83458760220227575
http://h.hatena.ne.jp/deztecjp/316608380790742754
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